激突の32日目

今日の問題は15時から来てもらった入浴介助のためのヘルパーさんである…初回は男性一人、女性二人の3人が来た。

母は最初は回りくどく丁寧にお断りしてたが、しつこく入浴に誘うヘルパーさんに苛立ち始め、
しまいには興奮するように自分には入浴が要らないということを主張し始めた。
そんなに元気に主張しているのに、具合が悪いんですだなんていう仮病が通じるわけもないという頭は働かない。

私の顔を見ると私にやりとりする責任を転嫁させようとしてくるので途中から私は席を外してドアの陰に隠れて様子を見ていた。

ヘルパーさんたちはあの手この手で持ち上げたりして、母をその気にさせてくれようとしたが無理だった。
足浴も清拭もダメだった。
とりあえずヘルパーさんを今後頼むのに嫌悪を抱かせてはいけないので雑談で笑顔にさせる作戦に出たようだ。

今回はどんどん頑なにさせてしまったので断念居なくなった。

1時間粘ってくれたヘルパーさん達が帰って行った後も、母は気が立っていて、夕方の空腹感と共にイラつき始めた。
あまりセレネースが効いた感じがあるようなないような?とりあえず「さっきそこで寝ていた誰それが居なくなった」等のせん妄が出ているわけではなく、イライラしてるだけなので効いてはいるのか。

私もイライラしていたのでろくすっぽ母の愚痴に返事せず、顔も見ずに携帯ばかりいじっていた。
顔を見たら余計煽ってしまいそうだった。
さすがに14時に軽いオヤツで18時にご飯だとしんどそうなので、オレンジを半分に切ったのを無言であげた。
イライラしていた母も無言でむしゃぶりついた。

私は勿論母の前では間食しない。自分が食べた事を忘れて「自分ばかり食べて!」とか、余計な勘違いや恨みを買いたくないし、「自分だけが美味しいものを食べている」という罪悪感は植え付けといてやりたい。

わざと残りの半分をしまわずに置いといたら、10分くらい後には気付かれて食べられた。私が一切同じものを同じタイミングで食べないのを不服そうにしている。

オレンジ一個なんか到底腹の足しにならず、母はガタガタあちこち探りながら己の境遇を嘆き続けていた。
悲鳴にも似た叫びをあげはじめたが、もうあまり私には可哀想、とか感じるものはなかった。
食べ物欲しいからって悲壮感を演出した芝居かな?とかそんなもんだ。そういう事には脳みそが働く。認知症は結構嘘つきだ。

17時になったのでゆっくり夕食の準備を始めた。
鯖の味噌煮の横でニラ卵ベーコンを炒め始める。
私の調理を気にして母が10分ごとにトイレに立ちながら覗きに来て食事を懇願しにくる。
「もうちょっとねー」とか言いながら普通のスピードで作る。なんかもう、そうそう母の我儘ばかり叶えてあげる筋合いは無いって気持ちだ。

そうはいっても決めてある18時の夕食よりは早く、17:40には夕食が完成してしまった。
鯖の味噌煮、ニラ卵ベーコン、根菜の煮物、ヒジキと豆の煮物、蓮根の甘酢揚、キンピラゴボウ。

食べ始めたらイライラが落ち着いたようだ。
食べ終えるとやたら、片付けに参加してこようとしてくる。一回ベッドに行ってもまたすぐ起き出して何かしようとしてくる。罪悪感があっての行動のようだ。

片付けてもらっても衛生面に問題のある滅茶苦茶なやり方されるから、なんのかんの言って断ってベッドで休んでもらった。
早く片付けないとずっと気にされそうなので疲れてたけどすぐ片付けた。本当は自分のペースで片付け物はしたい…

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