再始動の21日目

今日は朝から不穏な電話が来た。
先週だけキャンセルした訪問診療が、なぜか今日その代わりとして来ることになっていると言う。
母が帰宅するのは18時だ。それから来てもらうなんてありえない。

先週だけをキャンセルお願いしたはずですが…と言うと、若い男性が「いえ、それはありません(断言)」という。なんでそんなに自信満々なんだよ。
おまけに、「じゃ、今後ずっとキャンセルって事ですか?」と、言ってもいないことを好戦的に言ってくる。

窓口は決まった一人が受けるものじゃないから、こんな感じで伝達がおかしくなってるのかな。
色々変更ミスばっかり起きてるのはケアマネさんのせいとも言い切れなくなってきた。

とりあえず日にちを先に延ばすには、薬が足りなくなってくるので、今日ショートステイ先に訪問診療に行ってくれると相手の方から申し出てくれた。なんだ、そういうテもあるのか。

母が帰ってくるまでに、Amazonから来た冷蔵庫に取り付ける鍵をセットしたり、母の布団を干したり水場の掃除や掃除機かけをした。
もう当分、ゆっくりした午後は期待できそうもないので後は夕方まで漫画をずっと読んでいた。

母の帰宅時間って、もしかして夕食もらえてないのでは…と気付き、慌てて春雨サラダとヒジキ&コンニャク炒めを作った。

18時半を過ぎた頃だろうか、玄関チャイムが鳴った。
ショートステイ先の施設の人が母を送り届けてくれたのだ。
16日ぶりの母は口が回りきってない感じだけど、なんだかご機嫌で元気だった。

すぐパジャマに着替えて楽な格好になってもらい、麦茶と一口和菓子を出して夕食の支度を待っててもらった。
帰宅してから時間はたったと思うのに、送り届けてくれた人のことを気にしたり、主人はどうしたのと父の事を覚えていたりして、今日は意外と記憶力が残っている。

ご機嫌だったせいか割と大人しく待ってくれて、どうにかおかずを6品載せた膳をいっぺんに出すことができた。
(一品ずつテーブルに乗せてくと自制が効かなくてどんどん食べられてしまうから、シンク上の棚で膳を整えた)

おかず6品とか、惣菜も含まれているとは言え献立を考えたりが苦手の私には本当つらい。
野菜と牛肉の煮物、南瓜の煮物、ヒジキとコンニャク胡麻炒め、春雨サラダ、白身魚のつくね(惣菜)、昆布の甘辛煮(惣菜)、梅干、ご飯と味噌汁。
先日誤って配達された高齢者弁当は本当に塩味が皆無に等しかったので、頑張って薄味を意識して調理。

それを先日準備しておいた小鉢に入れてお重にセット。
赤い和風のランチョンマットを敷き、その上に御膳として並べる。
見た目は派手っぽくなり、一品一品は少なくても豪華に見える。母は食べながらポツポツと「美味しい」と言ってくれ、それなりに満足してくれたようだった。これが、私が初回のぶっ倒れた時に学習した成果だ。

でもなんだろう…高齢者弁当見たときの「うわぁ〜美味しそう〜」っていう言葉は出なかったんだよな。
やっぱり高齢者に魅力の献立が必要か…でもプロには敵いっこないや…

その後は休みたがったので夜用超強力パッドを付けてもらい、こそこそゴミ捨てやら買い物に出る支度をしたら起きてこられてしまった。
やはり私の気配には敏感すぎる。
でも部屋を暗くしたし大丈夫だろうとタカをくくって外出し、帰ってきたら廊下の電気が点いていて嫌な予感がした。

台所に行くと母がダイニングテーブルに座ろうとしているところで、シンク上の電灯も点けられてしまった。
今日の母は結構記憶力が残っている。
しかし、台所自体の電灯までは点けられないようだった。

買ってきた食べ物やなんかを視線を避けながらしまい、シンク上を一瞥すると、フルーツゼリーの上蓋が乗っかっていた。盗食された…せっかくロック買っておいたのに、油断して掛けずに出かけてしまったのだ。

まあ、食後のデザートを今日は用意しなかったのでいっか。しかし上蓋はあったけど、使ったはずのスプーンと容器が見当たらない。悪いことした自覚はあるようだ。

そのあとなんとか母に寝てもらい、まだちょっとする事があるからと朝食の仕込をしていたが母が気にして起き出してきてしまう。
しかも常夜灯だけ点いた台所で鍋を使っているのだが、食べる体制に入りたがり、「これからご飯ね」と言って寝ようとしない。「いや、これ朝食の下拵えたがら。もう寝ないとね、今は夜中だよ」と言うと、口先では「そう…」と言いながら納得出来ない顔をして不機嫌になってきた。

これはまずいので下拵えを中断した。母が起きている限り食べ物の気配を感じさせると体内時計がおかしくなってしまう。
惣菜や弁当ならサッと出せるけど、調理中の対応には困る。今後どうこれをかわしていったらいいんだろう…先が思いやられる。

また、やっぱり私も母と同タイミングで寝室に入って寝る振りなどしないとダメだ。同室にいないと起き出して来てしまう。
「寝ないの?じゃないと心配で心配で」と言われる。
どの位で寝入るかと、こっそり携帯でネットしつつ寝たふりで待っていたが、一定の寝息が聞こえるまで一時間半くらいかかった。

しんどいなー…正におはようからおやすみまで母の暮らしを見つめ、ずっと寄り添い油断なく目を光らせ、構って構ってに全対応して、イラついても気取られないよう優しい対応に務め、自分のプライベートは無い…って育児もそういうところあるだろうけどさ。下手に頭が回り、大人の体格、これから悪化はあっても良くなることはない絶望感、どの位続くのか見えない先行き、単身介護のせいもあるのかキツすぎる。

ホームの介護士さん達が対応できてるのはしっかりと確保された勤務時間、複数人の交代制、食事は業者の仕入れ、仕事と割り切れているからできるんだろうと思ってしまいたい。プロ達でも、もしそれが自分のことになった場合、同条件で単身で介護って可能なんだろうか?それが知りたい。
それはプロでも難しいって言ってもらえれば私は幾分か救われるが、出来ますよとか言われたら私はもっと追い詰められそう。

これで、昼間の全力お世話がヘルパーさん入れることで少し減って、デイサービス使えればまた違うんだろうけど、助けが無いんなら近いうちまた潰れそうな予感。

とりあえず明後日にケアマネさんが24時間体制のヘルパーさん連れてまた作成会議しにくる。
それまでは初回の失敗を成功に変えさせないと。

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