2人共ストレスの27日目

今日は私の中途覚醒なしに7時間寝ることができた。
慣れてきている、良かった。

朝は早めに目を覚まされたものだから、支度が慌ただしくなった。出来るだけ食事直前に温かくしようとラップをかけてレンチンするのだが、ラップが更にへばりついて圧縮状態になり、料理もベチャッと潰れてしまう。
一応菜箸で摘んだりして直すのだが、それでもあんまり見目よろしくない状態で出すと母のテンションも低い。

今日は何故だか冷凍庫の調子が悪く、若干解凍気味になってきている。ずっと使ってきた冷蔵庫、よりによってこのタイミングで…

繋ぎのお茶時間に母の髪をブラッシングするのだが、頭に掻き傷のようなものが少しずつ酷くなってきているように見える。シャワーを誘ったが、少しその気になりそう…かと思えば結局グズグズになってダメだった。
そのまま目を閉じられるとこちらとしてももう何も出来ない。

今日はよく晴れているので、私のシーツも洗おうとはずしたり、ついでに敷布団をどかして掃除機をかけたりする。母も乾燥気味で皮膚片が落ち気味なので、母のベッドの方もかけようとすると母がイライラと叫んだ。
「寝ているのに、うるさくするとは何だ!掃除機なんか使うな!」
今までで一番激しく怒ったかも。

私も、お風呂場をシャワーで温めて準備してからずっとシャワーの誘いをして断られた後なので、どこかイライラしてたかもしれない。母が寝ていてもたしかに平気で掃除機使っていたし。

午前から正午までは、母も苛々しているようで、キッチンに食料探しをしにくることは無かった。なのでゆっくり昼を準備(宅配弁当は日曜休み)。
まな板でネギを刻んでいると、ガラッと戸が開きかなり棘のある声で「何してるの?」と訊かれた。
極力優しい声で「お昼ご飯の準備よ」と言うと、「そう」とだけ言ってトイレに行く母。

今日のメニューは焼肉、ポテサラ、ひじきと豆の煮物、厚揚げ煮、卵焼き、プチトマトとオクラと玉ねぎのマリネにご飯と味噌汁。
膳をセット出来たので、母を呼ぶために寝室を覗くと何やらタンスの辺りをゴソゴソしていた。
どうも怒りや空腹などのストレスがいつもと違う行動に走らせているようだ。

努めて優しい声で「ご飯出来たよ、食べられそう?」と声をかけると、「毒を入れてこんな婆は殺してやるっていうんじゃないか」「何か魂胆があるんじゃないのか」とずっと繰り返しながらも食卓についた。
その言葉を私は明るくふざけながらかわして、私も一緒に同じメニューを食べてみせた。

どうも、信頼、快適な気持ちよりかは不信、不愉快な気持ちの方が記憶に留まりやすく、長引いてしまうらしい。これまで稼いできた信頼ポイントをだいぶ損失させてしまったようだ。警戒がひどい。

ワガママを聞いてあげてばかりは出来ないし、意に沿わない事を時としてしないといけないし大変だ。

13時半くらいに早々におやつを欲しがり始めた。
プチケーキ3個あげる。相当甘いので喜んだ。
しかし、14時過ぎにもまた欲しがる。朝食昼食時にデザートを抜いておいたので、その分のバナナをあげた。
でもまだキョロキョロしている。足りないらしい。

16時くらいには欲しがりがだんだん酷くなってきて、いない人のことをいるかのように話したり、ここを宿と思っていたりと、せん妄が始まる。
宿の話や帰宅する話が出始めているのはよくない兆候。
ここにいたくないという現れ。悪化すると徘徊に繋がってしまう恐れがある。

その頃にはネットで読んだ「この時期の過食さんにはいっそ2人前あげても大丈夫」を信じて、パスタを茹で、出来合いのきのこ醤油バターソースをかけて出す。
美味しいとは一言も言わないので好みでは無いようだ。

私は「こんなものしかなくてごめんね、でもうちにはお金がないの。お金持ちだったら食べ物一杯買えるんだけどごめんね」と繰り返すと「うんうん」と頷いているから、不本意ながらも納得はしているようだ。

このパスタも16:20には食べ終えたが一時間と持たなかった。
17:00にはまた、相当飢餓感が苦しいようで愚痴を言ったり懇願しながらあちこちを探し出す。
白米に固執しているようで、お米が無い無いと言い続ける。
生米を置いておくと勝手に(滅茶苦茶な水加減で)炊かれてしまうので隠している。
ララクラッシュ(蒟蒻畑より柔らかな蒟蒻ゼリー)を置いておいても一つ二つ食べて「あまり好きじゃない」とプイッと横を向く。自分の食べたいものを食べられるまで要求が激しい。

17:30になって夕食を用意し、気持ち量を多めにして出したが、見栄えだけは「私のためにこんなに綺麗に用意してくださったの」と喜んだが食べ始めると美味しいとも言わずおし黙って食べる。

作り置きの不味さがバレてきているのか、前回食べたという記憶が残っているのか、好きではないおかずなのかあまり好評ではない(その後同じおかずを私が夕食で食べてみたが、自分で言うのもなんだが普通に美味い)。
焼きたての大根おろし乗せハンバーグだけは美味しいと言ってくれた。

食事後はすぐ食器を片付け、トイレにせわしなく二回行く母を夜用パンツに履き替えさせ、お休みを言ったら、ソワソワが無くなり寝始めた。この就寝前儀式は大切っぽい。

その後さて買い物に行こう、と思ったが今日の私のダメージが半端なくて動けずにいた。
あの夕方の酷い食べ物要求は本当に疲弊する。
昨日と今日が酷かったのは、思い起こせば夕方の来訪者がいなかったので母の気が反らせなかったのがあるかもしれない。

シャワーも浴びる余裕なく外になんとか出て、旦那に電話するとたいぶスッキリしたのでつつがなく買い物に行けた。

さて明日はデイケア見学…直前まで悟られないように普通に接して、でも朝の準備の時にはリハパンにパッド仕込んでいつでも長時間出かけられる体制にしとこう。

前の記事

苛立ちの26日目

次の記事

デイケア見学の28日目