半休みの65日目

ついに帰宅日となってしまった。

朝食を飲み込むも、胃の噴門辺りがつかえている感じで痛苦しい。ストレスを感じているからだろうか。
つかえているのかと、お茶を多めに飲んだり、他のことをしているうちに紛れた気がしたので放っておいた。

次はいつ、ゆっくりシャワーを浴びられるか判らないからシャワーをして、ポケモンを起動するとちょっと離れた青ジムで黒卵があるのが見えた。
散歩がてら行ってみることにした。
片道30分くらいかかったところはテニスコートの一角で、レイドバトルが始まる15分前には到着していたけどスマホを覗きこんで座っている人は一人しかいなかった。
あとはテニスを楽しんでいる人たち。およそゲームをしなそうな人。

レイドの時間が近づくとだんだん人が集まってきて、開始ともなると30〜40人くらいだろうか? もっといるかもしれない。ちょっとびっくりした。
青ジムだったせいか圧倒的に青チームが集まっていたので、ダントツ1位でボーナスアイテムが貰えた。
今回も赤い恐竜みたいなのが出て、今度はGETできた。何度も失敗したからダメかと思ったけどかろうじて。
うちの近所だとディグダとカラカラとサンドばっかりだけど、こうして普段来ない方向に足を伸ばすとコイルがやたら出た。

帰って来るともう15:30も過ぎていて、母を迎える準備にとりかかる。
また、朝のように胃の噴門辺りがつかえたように痛くなり始めた。しかも朝よりきつい。
これは完全にストレスなんだな。じき帰って来る母のことが憂鬱で仕方がない。

16:30に帰宅予定だったが16:20にチャイムが鳴った。
10分でも惜しい気持ちになる…(時間通りにしてよと)
緊張してこわばった顔をし、施設の人に手を支えられながら帰宅した母は、玄関で私の顔を見るなり「妹だ!」と言って少し笑った。
テンション低めに「久しぶりね」と言ってきた。
2月25日に本当に久しぶりに会った時には「うわーっ、うわー久しぶり!会えると思っていなかった!」と驚いたように言っていたのに比べると、テンションは落ち着いていたから、8日ぶり程度だとそんなにブランクはないと覚えているんだろうか?
母を部屋に通し、コートを脱がせてパジャマに着替えさせた。

ゆっくり、ゆっくり着替えている母は、「(動作が)遅いでしょう?ごめんなさいね」と言った。
なんと、気遣いをみせている。ショートへ行く直前の頃の、午後の悪魔のような母ではない。
帰宅疲労や、環境変化への戸惑いや緊張感が苛々を超越してしまっているのか。
しかし動作は、一ヶ月前よりかは時間がかかるようになってきているような感じがする。

その時デイサービスから電話がかかってきた。
すっかり忘れていたが、ケアマネさんが「なんとか次のショートの日までは、デイケアで繋ぎましょう。GWは何日入れるか調整してもらって、電話くれるそうです」と言っていたのを思い出した。
5月3日と4日を受け入れてくれるそうで、これでうまく行ってもらえるなら魔の午後負担は1日分だけとなった。ありがたい。
その1日を頑張れば、あとは施設が決まるまでショートで預かってくれる…!

パジャマに着替え終わってトイレから戻ってきた母に、お茶とおやつを出した。
家に入ってからもそうだが、「怖い」と言いながら緊張した顔を崩さない。
「何もわからなくて、どうしたらいいのかわからなくて怖いんでしょう?」と訊くと、少し表情が和らいだ。
「何もわからなくても、ほら、家具とかは見覚えあるでしょう。わからなくなっちゃうのが病気の症状だからね、時間がたつと良くなっていくからもうちょっと辛抱ね」と言うと、だいぶホッとしたような笑顔をみせた。

疲れたと言ってベッドに横になったのを確認して夕食を作り始めた。
夕食を作っている間の30分間ほどのあいだにも、トイレは2回くらい立ってきた。おもらしを警戒している。
2回めの時に、そのままダイニングに座ったから、膳を準備して出した。
だいたい18時に食べ終えて、服薬させる。
すぐに夜のオムツの支度をしてベッドに横にならせると、眠いような顔をしていたので安心して電灯を消した。

私はずっと胃が痛い。
自分の分の夕食を用意はしたが、ずっと食べられなくて胃薬を飲み、食欲はないけど22時頃なんとか食べてみた。
母はずっと寝室から出てこないので寝た様子。
どうも、部屋の戸を開けて確認というのがしづらくなってしまっている。
起きていたらどうしよう、起き出されて面倒な事になったらどうしようって。

明日は叔父が来る日で、打ち合わせメールをやりとりしておいた。
なんとかそれで少しは、明日の間がもつだろう。

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