母の敬老会参加

敬老の日から1週間過ぎているが施設で、敬老会というものがあったので参加してきた。
母が米寿なので記念品の授与があるという。

家族の参加は、お昼代千円を払えば一緒にどうですか〜というのがあったが、母の食事は全介助なので一緒に食べにくい。
というか正直、老人ホームの談話室というのは食欲が無くなってしまうんだな…不参加とした。

式典開始が昼食後の14時からだから、それに合わせて到着。

市からは米寿記念の金券が2万円分出ている(先日、先に受け取っているが)。

1階ロビーの応接机は片付けられて広く場所を確保され、会場を作られていた。
紅白の幕が下がって祝敬老会の幕が下げられている。
母は一番前に車椅子をおかれていて、呼ばれ待ち状態だった。

職員挨拶の後は喜寿、米寿、100歳以上など、該当する入所者の紹介と記念品授与となり、喜寿の方はいなかったので米寿から紹介された。
二人いて、うち一人が母。
他には102歳と103歳の方もいた。やっぱり女性ばかりだ。

授与されても母は多分わけがわからないんだろうなーと思いながら、一番うしろの取り巻き部分から観察。
花束を受け取るというか抱え込まされている様子だった。

その後は地元の方たちの福踊り。
おたふくやひょっとこ、獅子舞などお面をつけて拍子に合わせて長寿のお祝いを踊るものだ。
30分くらいが職員の挨拶や授与、30分くらい踊りの時間だった。
けっこう式典の間の拘束が長い。
母は疲れているだろうなーと思って見ていると、やっぱり顔をうつむけているようだったが、お囃子が始まると顔をあげていた。
でも基本じっと、動かず。一応、いつもと違う環境なので、聴いてはいるのかな。

母の隣に座っている人はノリが良くて、曲に合わせて手拍子をとったり、ウンウンとリズムに乗っていた。
お元気そうで、羨ましい。

踊りが終わって式典も閉幕となった。
観覧席後列の、今回喜寿、米寿などの記念のお歳ではなかった人らから、職員さんたちが車椅子を押して部屋に帰っていく。
だんだん散り散りに人が減ってきた。
施設の職員さんらが最前列の母たちの車椅子を回転させてこちらに向かせ、地元の福踊りの人達と集合写真を撮ったりしはじめたので私も便乗してスマホで撮影した。

撮影会も終わり、人だかりがなくなったので母の近くに寄った。
いつもより洋服を重ね着して、髪も美容してもらったばかりのようで小綺麗にしてもらえていたから、私はおどけて
「綺麗にしてもらっちゃってぇ〜」と言ってみた。
母が久しぶりに笑顔をみせて、頷いた。
顔全体の笑顔は無理だが、視線が柔らかくなっていて、口元が笑った形になっている。
お祝いしてもらえてるという事は理解しているっぽい。

「ちょっと疲れたね?」と訊くと、頷いてそのまま顔をうつむけて、寝そうな雰囲気になった。
職員さんが来て、米寿のお祝いで黄色い頭巾とちゃんちゃんこを着せられて笑顔で写っている、大きく引き伸ばされた母の写真をくれた。
それから授与された記念品の袋を持ち、車椅子を部屋まで押していってくれた。

戻ってきた入所者さんたちはおやつと飲み物を配られ始めていた。

今日は珍しく、フロアにジャズがかかっていて、介護士さん同士がそれについて話していた。
「珍しいね!ジャズなんかかかって」と女性介護士さんがいうと、男性介護士さんが
「youtubeとかにあるんすよ。それをそのままかけちゃってます。今日はお祭りでみんな出払ってて僕ひとりでずっと居たんで、いいかなって」

談話室にはキッチンが付いていて、流し部分がカウンターのようになっていてそこでその男性介護士さんがマドラーで飲み物を作っていたので話しかけてみた。
「バーテンさんみたいっすね!今日はジャズもかかってるし」
「前職がバーじゃないですけど飲食系だったのでシェイカーも振れますよ」と返ってきた。続けて、

「いつも流れてるのTVの音だから、たまにはいいかなって。ほんとは昔の歌謡曲とか演歌とかが、(認知症療法で)良いとされているんですけどね。色んな年代の人いて、色んな好みもあるし」
「良いと思います。私がこういう年齢になったら、クラブミュージックとかかけたりして」

時間をかけておやつにムース状にしたライスの上にムース状にしたあずきのおはぎを介助してもらう母。
わりとすいすい食べている。目を閉じて味わったりしてる様子だから、甘くて好みのようだ。
「今日は朝からお祝いしてもらうってことは判ってくれているみたいで、お昼なんかも喜んで食べてらっしゃいましたよ。あんまり(スプーンを)噛まなかったかな」

おやつ、飲み物が終わると、じきにトイレということでその前にベッドに移動させてもらった。
そこで後をお願いして私も退出。

今日は穏やかで気分も良さそうでよかったな。
次回は、いつ、どんな表情の時に会えるのかなと思いながら。

両親の必要な代行用事も終わったし、私は明後日、一旦自宅に戻ってみることにしている。