父の足の具合が酷い/一気に用事を片付け

今日は同じような場所での色々な用事を一気に済ませようと予定を立てて行った。
やっぱり思い通りにはいかないわけだが。(もう期待もしなくなってきて、慣れてきた…)

父の特養に行く

父の特養からその後の経過の連絡が来ないから、様子を見に行くついでに大きい靴下を持っていった。

うっかり昼食時間に行ってしまい、入所者さんみんな団らん室で食事をしていた。
父もいつもの出入り口付近で車椅子に座り食事をとっていたが、1/4ほど残して食べるのをやめてしまっていた。

もう靴下を履く履かないという段階じゃないからと介護士さんが言ってきたように、車椅子に裸足で座っていた父の両足は母以上にパンパンに赤黒く腫れていた。

開口一番、「俺ァ借金があるはずなんだけどな」とか言い出す父。
「借金?!そんなもの無いよ」
「何おう?!失礼な!そんなことは失礼というものだ。覚えで、俺には○○万円くらいの借金があるはず」
その額面を聞いて思い当たった。
「ああ、預金のこと?借金じゃないでしょ」
「あ?!ああ、ああ、そうそう。それは失礼なことをしたな」

言葉の使い方を誤り始めている。

父は、「こんな婆ばかり…男は自分だけなんだよな。こういうふうに入口に座っているのは、男だから番頭のような感じなんだよな」
私は、違う、性格が悪すぎて皆と一緒にさせられないからTVを与えとけって離された場所に座らせられているという言葉を飲み込む。

昼食の時間帯に来てしまい、介護士さんも食事介助をしたり、入所者さん達も食事をとっているので声のトーンを控えめにして話していたのだが、時々介護士さんが会話の内容に反応してツッコミを入れてきたりするのでかなり会話内容を聞かれているようだ。

母が先月は誕生日を迎え、老化スピードが早すぎてあっという間に自分では食事を採れなくなり、全介助になっている事を伝えた。
「もう俺らはそういう歳だから仕方ないんだよな」
一応理解はしているみたいだし、老化を受け入れるつもりではいるみたいだ。
さすがにこの会話の間は介護士さんは黙っていたから、これでうちがどういう状態にあるか把握しただろう。

私が来ていることで、ちょうど良いからと看護士さんが呼ばれ、今の状態についての話を聞いた。
水疱の破裂がおさまり、新しい皮膚ができてきたというのと、良くもならないけど悪くもならないというので引き続き利尿剤などを使い、腎機能を改善する薬が浮腫をとるかもしれないので様子見ということだった。

父が「お金を数千円程度は持っていないと落ち着かない」という話をしだして、「ここでは不要」と言うも納得せずぐずり始めたので曖昧にして帰った。

区役所に行き送付物転送手続

両親それぞれの特養に保険課の郵便物が送られているのでそれはそれで困るので転送手続きをしに役所に行く。
介護保険課と後期高齢者医療保険課で手続きをすませ、移動中の電車に乗っていたら後期高齢者医療保険課で担当してくれた人から電話がかかってきた。
母は県外なので手続きは出来るが、父は同じ都内の別の区なのでそちらの区役所で手続きが必要だという。
たらい回しだ、面倒くさい。なぜこういう事こそ一元化しないのか。

お寺さんに行く

父が購入済のお墓を管理しているお寺さんに行った。
ここは、団地から徒歩40分ほどだ。近いような、遠いような。電車やバスなどの手段はないから遠いのかもしれない。

ここに来ようと思ったのは、墓地管理という契約システムがさっぱりわからないので、どんなものなのか直接訊きたかった。
兄がすでに入っている墓を確認したかった。
近々両親が世話になるかもしれないので手続きの流れを確認したかったことなどがある。

今風の建築でものものしく、ちょっと近寄りがたい雰囲気で、防犯システムがしっかりしてそうなお寺だった。
インターホンを押すと、人の気配のしない屋内から私と同じ世代くらいの事務員ふうな女性が対応に現れた。

2ヶ月くらい前に住所が変更になる旨を電話していたのだが、そのことを覚えていて、私の名字も途中までは出かかった(珍しい名字なので完全には覚えにくい)。
職業柄、人についての情報はよく覚えるのか。顔を覚えるのすら苦手な私にとってはすごい事だなと思う。

話の流れで女性は事務員さんでもあるが、住職の娘ということがわかった。
住職は今年頭に亡くなっており、うちの父についての話は聴いているという。
去年の夏、父がお寺を尋ねる約束をしていたらしいが来られなかったことなど。そんな情報までよく覚えているな。さすがだ。
去年の夏といったら、母が父に包丁を向けて、同居解消をして父は単身でヘルパー訪問による居宅介護でひいこら言ってた時期だ。
そんな時期でも兄のことを思う何かがあったのか。たしかにその頃、「お寺に渡すから」といって私はお金を用意させられはしていたが、そんなに兄のことに関心があったとは意外だ。

管理料というのは前払いである程度もうもらっているということもいわれた。
この辺は、私も領収書などで把握はざっくり程度はしていると言い、領収書の存在は匂わせておいた。
(伝え聞きすぎてあまりにも契約状態を知りません状態にすると、万一付け込まれて、お金をもらってないと押し切られた場合困る)

お墓に入れるのは何人か?ということも一応訊いてみた。
父は「お前のぶんまで(権利を)買ったから!」と言っていたのが気になっていた。
そしたら、何人、というのはなく、遺骨を収める瓶が収納できるスペースがある限りというような話だった。
最悪スペースがなくなっても、瓶ではなく骨が土に還らないようにさせる新素材の容れ物?に入れれば極端な話、何人でも入れると言われた。

今日来た理由を話して、お墓を見せてもらうことになった。
建物の脇のエリアは墓地で、全体的にピカピカに綺麗で新しく整備されたばかりのようだった。卒塔婆とかも無いせいだろうか、墓場のイメージがあまりない。
「私は兄とソリが合わなかったので、私にお参りされても嬉しくないだろうからちょっと挨拶程度で」
「そうですかー…」

同じ区画に同じデザインの新しいお墓がずらっと並んでいた。そのうちの一つがうちのだ。
もうすでにお墓に入られている家は、墓石に墓誌というのが彫刻されていたが、兄の入っているお墓には墓誌が無かったので、軽く手を合わせてから訊いてみた。

「希望されるかされないかお選びいただけるんです。ただ、お父様がご希望されたのか、それとも何か事情があって入れられなかったのかはわかりません」
この場合、事情というのは、「理解力が低下していて墓誌の有無を決められなかった」というのも含む意味合いだ。
まあ何だかよくわからないが両親が入る時はどうするかな。
墓守なんて今どき流行らないし、うちの代で絶える事は確定済だ。
自分に関して言っても、海に撒いてもらったり樹木葬というやつはいいかもしれない。
とりあえず骨を遺し続けることには違和感がある。自然と溶けあう、還るのが自然なことじゃないのかと。曼荼羅図をみても、全てが繋がりあうようなデザインだ。石の中に入れられて収納され続けるのは、隔絶感が半端ないように感じている。

ひとまずお墓も確認できたし、聞きたい事は訊けたしでそろそろおいとますることにした。
うちの両親の今の状況を話し、私がなぜ遠く離れた自宅じゃなくて東京に来ているのかなどを話すと、「ご無理なさらないで」と言ってくれた。

案内してもらった事にお礼を言ってお寺を出た。

団地に行こうとする

団地に行くのは少し気が重い。
会いたくない人に会わないであろう時間に到着するよう、調整して歩く。
でも、徒歩ではかなり遠くて30〜40分ほどかかった。

少し気温が下がる日を狙って来たというのに、せっせと歩いたらやっぱり暑い。
途中で、管理人室にあらかじめ電話をかけるが、あまりに相手が出ないので嫌なことを思い出した。
(あれ、もしかして今日って、管理人室休み…?)

休みだった。完全なる体力と時間の無駄使いだ。
仕方ないので、久しぶりの最寄り駅ショッピングセンターに寄っていった。
またわざわざ、時間と交通費をかけて来ないといけないのか…自分の無知とか記憶力の悪さのせいだけど。