退去にあたり、家電家具回収業者に見積依頼するが…

単身で引っ越しではなく家をまるごと片付けるというのは相当な労力だ。
かつて3人分の家電家具生活雑貨が溢れていた空間である。しかも、昔の人の好みなので、重厚、かさばる、ものが捨てられない性分のせいで無駄に溜め込んである。
なるべく自分で出せるものはこつこつ粗大ゴミに出したり、1ヶ月に一度来てくれる旦那に手伝ってもらい出せる家具は出していた。

しかし180cmを超える本棚やタンスなどは厳しいものがある。
相当使い込んであるものはもう売れもしないから、区の循環資源センターというところに最終的に申し込むつもりだ。
これは、高齢者世帯の特例を使って運び出しからお願いをしたい。

介護のために最近買ったりした家電などは売れるんじゃないかと見込んで、それを軸に、家具も無料回収を謳っている業者をネットで調べて見積出張を申し込んでみた。
(家具はいくら新品同様でもノーブランドだし値がつかないだろうから、家電のついでに引き取ってもらえるんじゃないかという期待でいた)

調べ方は、「家電 家具 回収」などで出てきたまとめでランキング形式にしてあるサイトだったと思う。
最初の頃こそ、直接店舗のサイトを自分で見つけては連絡したけど何コールしても出なかったり、良さそうと思う業者でも「今多忙で出張はさいたま県内だけなんです」と断られてしまったりだった。
まとめサイトなら人のアクセスもあるだろうと思ってなるべく上位の店舗に連絡してみたのだった。

上位3位以内くらいにいた、横浜の会社「エコ○スト」という会社。
店が信頼できそうかなというのは、まずサイトの充実度や口調、説明ページなどのつくりで判断してしまう。私の職業柄。
そこのサイトは漫画で流れを紹介までしていて、サイト作りにお金をかけているふうではあった。
また、お客様の声も充実していたが、これはサクラでどうとでもできるから信用度はともかくとして無いよりはあったほうがマシ程度。

問い合わせをすると、ハキハキした男性が直ぐに対応に出て、引取内容のヒアリングをされた。
でも、引取希望時期などを聞き出される時に今回の回収理由を訊かれて答えると、わかったふうに「ああ、ご両親が施設にはいられるから家を片付けるのになるべく急ぎたいと言うことですね!」と少しなれなれしい様子で言われたのが気になった。
「急ぎたいと」には、「急ぎたいだろうからなんとしてでもウチで決めてくるだろうからぼったくれそう」という勢いを感じた。
また、こちらが女だから舐めているのか、丁寧語ではあるけれども強気な口調が気になった。

そこで、出張見積の日には、お義兄さんに同席をお願いした。男性がいたほうが良さそうと思ったからである。
(結果からいうと、やっぱり正解だったように思う)

業者は13:30頃に14:00〜14:10に着きそうですと事前連絡をくれたが、実際来たのは14:30だった。
茶髪でピアスをつけた、サーファーみたいなチャラい感じの兄ちゃん一人である。
本棚、冷蔵庫、ハンガーラック、サイドテーブル、掛時計、スリッパラック、19型と39型液晶テレビをみてもらった。
冷蔵庫なんか簡単にチェックして冷凍庫すら開けなかった。
S-cubismという一流メーカー品ではないから、値なんてつかないそう。
むしろ、全体的に引き取り料金がかかると言われた。
その時、業者が腕にしていたAppleWatchに何か反応があって、業者が一瞬それを覗き込んだ。
それからこっちに向き直り、手元の見積表を見せながら4万7千円かかると言ってきた。
プラス、階段上げがあるのでさらに追加料金と言われたかもしれない。でも、4万7千円と聞いて即、キャンセルした。
新品同様を捨てるのはもったいないから引き取ってくれるならあげるつもりでいたけど、お金まで払った上に、この業者はどうせちゃっかりリユースもするんだろうと思うと何か腹がたって頼みたくなくなった。AppleWatchとか付けて景気良さそうじゃん?すごくぼったくられていて、バカにされた印象を受けた。

キャンセルされるということで会社に報告しないといけないので理由を教えてくださいと言われたが曖昧に「思ってたのとちょっと違う」と言った。
「具体的には、料金はどのくらいと思いましたか?」
「こう、まとめていくらで、とは考えていなかったのでいくらでと言われると答えにくいんですが…それにしても」と言うと、
「じゃ、ま、思っていたのと違うということで」
「はい」
「他所の業者さんにすでに見積たのまれましたか?」
「いいえ」

この質問が出るということはやっぱり吹っかけている自覚はあるんだろうなー

「うちは他所と比べてお安い方で、運び出しというのは人件費がかかりますからこのくらいはかかってしまいますよ?」
業者に少し抵抗が見られたが、私は頑として首を横に振り続けた。

それで帰っていった。出張見積は無料、と謳っていたこともあり、それはたしかに無料だった。
だけど、家具回収無料…というのは言葉のアヤというか、そうしてもらえるためには但し書きがたくさんありそうだった。

循環センターに以前回収してもらった時は、たとえば大型家具ソファベッドとか、持ち出してもらった上で1,800円だった。
たしかにテレビなどにはリサイクル料金とか運搬料金とかかかってくるのは知ってるけど、それでもヨドバシカメラとかで見ると大型TVでも持ち出しで合計1万もしなかったはず。
それを、家具ちょっと付けて5万近くとかすごくバカバカしい。
だから、区のサイト内の循環センターの案内のとこに「高額回収をする悪質業者に注意!」って書かれちゃうんだよ。
女性とか老人には強気で吹っかけてるんだろうな。

ハードオフとか、大手でチェーン展開しているお店のほうが変なことはできなそうなので良かったのかなと今では思ってる。
(うちの近所に出張回収しているハードオフが無かったから選択肢としては諦めていた)

TVの引取について余談。
私はTVの受信の仕組みやら、電機的な事はさっぱり解らないのだが、お義兄さんからは「他人にTVを渡す前にはB-CASカードは抜いて自分で一応持っておくものだよ」と教えてもらった。
旧型の赤いB-CASカードは改造が出来て受信し放題にできてしまうとかで中古引取業者からはよだれが出るほどほしがられるみたいだ。
新しいカードは対策がなされて改造できなくなったので需要はないけど、一応B-CASという会社から個人が貸与しているという仕組みになっているので他人に渡すものではなく、手元に持っているべきものということを説明された。
色々勉強になったし、多忙なお義兄さんに遠い所まで来てご協力いただけた事は非常にありがたかった。
大型家具の片付けが振り出しに戻ってしまったのは痛かったけれども…

<後日談>
2週間くらいたち、6月1日。家電に「不用品回収の御用はございませんか」と男性から営業電話が来た。
しばらく住んでいてわかるものだが、高齢世帯の家に営業電話がかかってくるのなんて、これまで墓か互助会か住宅・土地買取しかない。
会社名は「エコフ○ント」 あのボッタクリ業者に似てるネーミング…もしかしてうちが断ったから、後で思い直してニーズがあることを期待されてグループ会社に情報渡されてる?
もちろん今回の電話には「ありません」と答えたら、さっさと通話終わらせられたけども。

<後日談・2>
さらに2週間くらいたち、6月16日。「エコストアリ○クト」という会社から営業電話が来た。ミシンや自転車等不要なものはなんでもいいと言う。今回は電話慣れした感じの女性だ。この会社名でググると迷惑電話にヒットする。たぶん、この「エコ」シリーズのリサイクル回収業者はグルじゃないかな。とりあえず聞こえのいい「エコロジーのエコ」を付けとけば好感になる社名だろう、って程度でポリシーも何もなく命名してる社名じゃないか。(私がかつて居た業界はそういう発想でボンボン会社つくりまくってたから、なんとなくわかる…)
こんなにしつこくかかってくるなんて、携帯の番号を教えなくてよかったわ〜