父を連れ出して本人がしないといけない手続をさせる

嫌な日が来てしまったが仕方がない。
連れ出す機会はそうそうないので、本人でないと更新できないものなど思いつくものは全て済ませるつもりで連れ出した。
特養の人はのんきに、「今日は娘さんとデートですねって言ったらウキウキしちゃって」とか言っている。
ま、私の父に対する思いはそうそう話さないからな。

父の特養には、転入後すぐに新しい後期高齢者被保険者証が届いていた。
これと、住所更新済みの顔写真入りの障害者手帳があればなんとか住所変更はできるだろう。

2ヶ月ぶり位に会った父は元気そうではあったが認知症が進んでいるのは感じられた。
おおむね会話は成立するが、説明したことはほぼその場ですぐに忘れるし、何を言ってるのだかわからない事がさらに多くなった。

介護タクシーを特養の職員さんに呼んでもらっておいたので、まず、みずほ銀行に行く。
こちらはインターネット口座にしていないので、本人に住所変更してもらわないといけない。

案の定というか、通帳の登録印鑑が違っていた。昔の人的な考え方で、通帳ごとに印鑑を変えるのはホントやめてほしい。
でもまあ本人がいるおかげで、住所変更と同時に即、持ってきている印鑑に変更してもらった。

要件が終わり外に出ようとした所で急に思い出した。
みずほ証券から時々何やら郵送が来ていたな…もしや、何か取引があるのではないか。
証券の窓口で訊くと、しばらく端末を叩いたのちに「たしかにお取引がある口座があるのは確認できましたが、うちの支店での取引ではないので取引内容までを確認したり、住所変更したりなど手を加える事はできません。お取引があるのま○○支店なので、そちらの連絡先を教えますのでお問い合わせください」と来た。
いまいち株取引の事はわからないが、預金口座(銀行)と証券は全く別のもので、顧客情報が一元化管理されているわけではないので別途手続しないといけなかったようだ。

今度は役所へ行く。
銀行よりはきっと手続き等で時間かかりますよねということで、介護タクシーに待機はしてもらわずに一旦帰ってもらうことになった。
思いのほか証券窓口でのことで時間がかかり、待機料がかさんでしまった。3,700円の運賃と2,000円の待機料で5700円ほど。

【ここから10行くらい汚い表現】
役所へついたころ、なんだか父から便臭がする。そして、トイレに行きたいという。嫌な予感…
車椅子用の大きめのトイレに行って、嫌々「一人でできる?」と訊くと、出来るというから車椅子だけ便器になるたけ寄せた。
…が、なんのかんの言っても父は足の障害があるので必ず片手は手すりに捕まっていないといけない。
結局「ズボン下げて」だの介助を要求してくる。ああ、嫌だ。
しかも、父はずっしり重い尿とりパッドをリハパンから外して、車椅子の上にボン!と投げ出した。
どうみても再利用できない代物だし、どうしようっていうんだろう。
「ちょっと、これ外しちゃって、どうするの? もう付けられないじゃん。トイレに素のまま捨てていくわけにもいかないのに」
「つけるからちょっと押さえてて」

父は座って用を足し、リハパンを履いて、それから尿でずっしりのパッドをその上から当てた。そしてズボンを上げるよう要求してくる。
ああ、もう訳わからないし、汚いし、臭いし、結局介助してほしいんだ。気持ち悪い。(以前から娘に限らず、やたら女性に介助してもらいたがるので気持ち悪く感じる)
そんな尿でずっしりのパッド付けてるから臭いんだ。しかし、どうみても出かける直前の支度でトイレに行かせてもらってないようだ。それも酷いな…

早く用を済ませて父から離れたい。
その一心で、まず一番に済ませたかったこと。住基カードの住所変更だ。本人がいるのでさすがにトントンとことが進む。
母とは違い、まだ本人に署名をさせることが出来るのもかなり違う。

住基カードはどのみち来年に期限が切れてしまうので、また(もっと大変になっているであろう頃)連れてくるのも嫌なのでマイナンバーカードをこの機会に作らせる。写真撮影をしてもらうが、目が小さくて寝てるように写ってしまうだとかで「もっと見開いてもらわないと顔認識できないので書類が返送されてしまう」と脅される。そこでなんのかんのと時間がかかる。これ、目が元々切れ長とかで細い人どうするんだろう?

どうにか証明系カードが終わると今度は印鑑登録証を作った。もしかしたら母が先に亡くなった場合、遺産相続で必要になるかもしれない。
父が印鑑登録の印鑑は2つでも3つでも登録できるのか、と余計な事を訊いてくる。
もしや、なんとなくありがたそう、なイメージだけで重要な印鑑を増やそうとしているのではあるまいな。質問には適当にはぐらかした。これ以上、わけのわからない印鑑を増やしてほしくない(通帳や契約ごとに変えた印鑑のせいで、うちには10本くらい謎印鑑がある…)。

マイナンバーカードは、1ヶ月〜1ヶ月半で出来るが、出来上がりに本人が受け取りに来なくてはならない。また付添だ。
これもまた面倒でまた運賃がかかる話だが、今後の面倒を考えたら致し方ない。

介護保険の更新はどうなっているのか最後に介護保険課に寄って訊いてみると、特例制度が使えるので今後も以前の区の介護保険を使うらしい。よって、何か申請をしたり、更新をしたりする時は以前の住民票のあった区に行くとのこと。

特養宛に、介護保険課から封書が来ていた。書類に記入して同封の封筒で返送すると初めて、新しい介護保険証が届くらしい。
減額申請など特別なにか手続きはせずともそのままで良いとも書いてあった。

今日は10時半頃、特養を出発したが、戻ってきたのは13時半だった。
かろうじて昼食を取っておいてもらえたのでそのまま父を職員に託して、いつものように父には特に何も言わずサッと帰る。
こちらの特養は母の特養と違って「後はやりますやります」とすぐ引き受けてくれるのでありがたい。

父の特養を出たその足で母の特養に行った。
母の特養に届いている郵便物が、相談員さんの説明では要領を得ないし早く受け取りたかったのだ。
午前〜14時くらいを父関連で費やし、自身のお昼を取ったり、移動にも時間がかかったので母の特養に到着したのは17時くらいだった。

母の新しい後期高齢者被保険者証はまだ届いていない…! 区(市)によってそんなに違うのか。かなり日数が経過してるはずなのに。
郵便物は、マイナンバーカードの回答書だった。「カード券面事項変更届は私の意思によって申請するものです」と書いてあるもので、委任状とセットになっているものだ。
これがまた、暗証番号を記入する欄があるのだが…問題なのだ。

母のマイナンバーカードを作った1〜2年前の頃、両親の暗証番号4桁はとある数字で決めていたのだが、父が他人がそばにいるのも構わず、得意気に暗証番号を大声で怒鳴り散らしたせいで、暗証番号を変更した時期でもあった。
番号は、AAAAかBBBB。どちらかのはずだがちょうど過渡期に作られたカードのためわからない。
バタバタしていて、私もメモに控えることもしていなかったミスだ。どうせ2パターン程度しかないならその場で試してもらえばいいでしょとお気軽に考えていたせいもある。

しかしこの回答書は、偽造できぬようやたら仰々しい書式になっており、記入後はすみやかに封緘・捺印しないといけないという恭しさ。
間違って記入しようものなら、また回答書を刷り直して送られるくらいのことはされそうだ。
しかも、住基カードの期限90日間とは違い、マイナンバーカードの住所変更は30日間しかない。
下手すると、訂正する期間も与えられないかもしれないのだ。記入間違いでまた、無用なやりとりが続く…しかも何日もかかるだろう。

なんでいつも、必要なやるべきことの前に余計な細かいストレスが積みあげられていくんだろう…
まあ、イレギュラーが重なるのを見越せないのがいけないんだろうけど。
(暗証番号に変更があるなら控えておくべき、とか、信用おけない人間にそもそも暗証番号知らせない、とか)

うちはそもそも何もかもオカシイ家なのだから、何が起こってもおかしくない前提で用心しないといけない家だったのに。