特養入所面談

入所面談のために施設の人とケアマネさんが自宅に来てくれた。

訪問前に父に施設のパンフを見せて入念に説明したりして「自分が入所するイメージ」を具体的に持ってもらう。
でないと、「説明してもらってない!」「納得できていない!」などと吠え出すだろうから。

それでも状況を飲み込みつつあるけど納得はしきれていない様子で言い渋る。
「ホームに入らないとやっていけないかな?今のままでも困ってない」
「お母さんとは実質離婚ということだな」

ここでまた「離婚」という言葉がでてきたので、法律上の婚姻解消ではないという意思を再確認する。
今書類上でも離婚ということになると母が生活保護になるしかない、それでは母が可哀想だと強調する。
この、昭和ヒトケタ世代は生活保護に頼るのは恥ずかしいものだと思っているので、そこはすんなり「そういう離婚とは違う」と言ってもらえる。

「お金持ちならね、有料老人ホームに夫婦で一緒に入ることもできるんだけどね」

現状はこうだから → こうするしか方法が無い というふうに、反論や抵抗に対しては論理的に回答して決心を迫るしかない。
ここでふわふわ曖昧にしておくと、後で暴れかねられないから…

結論から言ってしまうと、面談は伏線張りのおかげか、父も穏やかでスムーズに進んで終了した。

 

正午すぎに来た特養の人は、20代後半くらい?の、人の良さそうなニコニコした印象の体格の良い男性だった。ほんのり髪が明るくて赤め。
ワイシャツとスーツのパンツでサラリーマン鞄を持っており、営業畑の印象を受ける。

ダイニングにお通しし、午前に買っておいた新品のプラコップと未開栓のお茶を目の前で開けてお出しする。
(要介護者が二人いる家はどうしても汚れ、ニオイのする家になってしまうので、そういう所から出てきた飲食物って他人には抵抗があると思う)

特養の人からの質問は、まず父自身の口から名前、結婚はいくつの時にしたのか、趣味を答えてもらうこと。
それから立てる保証人についてケアマネさんに確認。

「娘さんがこちらでお母様と住むので、保証人については問題ないです」
一緒に住むことは秘密にしたい父の前でソレ言うかっ…と思ったけど、流れ内でササーッと話したおかげか父は気づいていない様子だった。

あとは、父の現在飲んでいる薬の確認や生活動作内での可動範囲の確認(どれくらい自分だけでできるか)をされた。
それと、何か生活上で困った事があるかなど最新の状態、容態を訊かれる。
今回私も初めて知ったけど、ケアマネさんが答えるには、朝になると介護ベッドに失禁しているらしいとのこと…昼間の失禁は無いそうだが。
それが認知症抑える薬の副作用なのか、衰えが進んでいるのかは分からないとしていた。

それと、「本人の性格について」の質問をされる…

ケアマネさんが答える。
「思い通りにならないと気持ちが高ぶって声を荒げることがあります」
「以前からの性格もありますけど、薬の副作用で多少そういうふうになりやすいことも考えられます」

今回の面談は、父の唯一のポジティブ面である「初対面の人とも人の良さそうな感じで陽気に雑談」スキルが発動したのでなんとか事なきを得た。
(いつもはコレで、良い人じゃない!と好印象を持たせておいてからの失望が凄まじい…)

ちょっとヒヤヒヤしたのは、私が注いだお茶に「なんだか気持ち悪い色だな」とクレームをつけたこと。お客さんに出すお茶にお客さんの前で言うか、普通?
あと、質疑が始まる前に「余計な事を言うなよ」と父が私に言ったので、特養の人に冗談と取ってもらえたかマジで受け取られたか心配…(冷や汗)

質疑がおおむね終了したところでケアマネさんは緊急が入ったとのことで退出。
後は、入所までの段階について説明されたのと、何か質問はあるかと訊かれた。

段階的には医師の健康診断書を提出できたら、今回の資料と合わせて入所審査、すぐにでも回答をくれて早い場合では9月末入所できるとのこと。
「診断書についてはこちらからケアマネさんに問い合わせたら良いですね」と特養の人が言ってくれたが、これは任せっきりは信用したらアカンやつだなとピンと来る(事実、2日後にケアマネさんに確認したらすぐさま診断書取得に向けて動き始めた)

質問については、持ち込み家具は結構持ち込めそうとのことだがどれくらいいけるのかという質問をした。
家にある大型TVも、洋服ダンスも全然だいじょうぶとのこと。むしろ衣類収納ケースは持ち込んでほしいと。

あとは父本人に「何か訊きたいことある?」と振ってみたがポカンとし続ける父。

そんな感じで45分ほどの面談は終了した。

面談前に、ケアマネさんに何か必要な資料はあるかと訊いたけど、特に無いって言われてたんだけど。
実際してみたら、「おくすり手帳」と「最新の常用してる薬情報」が必要だったなぁ、と思う。
普通の健全な家庭なら、家族の情報は把握してて当たり前だろうけどうちは無関心。当たり前の準備が出来てなかった。
把握不足の反省はしていないけど、準備不足については失敗したなという感想。